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「海斗。」
ママが部屋の奥で声をかける。
奥には椅子に座りうなだれた海斗が居た。
「和人さんと優花ちゃんの事?
あんただってわかってんでしょ。和人さんは…!」
「わかってんだよ!」
強い口調に、ママはびっくりしたように目を開く。
「わかってるんだよ、俺だって。でも、行かせたくない。和人の元へ。」
うなだれた海斗をママが慰める様に頭を撫でる。
「好きなのね、優花ちゃんが。」
海斗は黙ったまま頷いた。
本当はずっと好きだった。
でも、ずっとずっと胸に秘めてた。
和人と会っていても和人の理由を知ってたから安心出来てた。
でも、優花とキスした和人。
ムカつく。本気になれないくせに思わせ振りな事をしたあいつに。
「…あいつ、絶対辛い想いをするよ。」
呟く海斗をママは黙ったまま見つめていた。
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