第8章

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沢山の動物達が私達を出迎えた。 のそのそと歩く象。 首の長いキリン。 威圧感のあるライオン。 「うわ~」 私ははしゃぎながら園内を回った。 「あそこ、動物触れるって。行ってみる?」 見るとそこにはフワフワの毛をしたウサギ達がいた。 「うん、行く行く!」 はしゃぐ私に、和人が笑う。 「優花ちゃんって、意外に子供っぽいんだね」 「悪い?」 「いや、そういうとこもいいかな」 和人は顔を寄せ、こっそりと囁く。 期待しちゃいけないんだけど、そういう所についつい期待しちゃうよ。 柵の中に入ると、私はウサギを抱き抱えた。 温かい。 ほわほわした毛が気持ちいい。 「ほら、こっちも可愛い」 和人がウサギの首根っこを掴み、ぶらぶらさせている。 「和人さん、その持ち方可哀想だよ」 「そう?小学校の時こうして持ちなさいって習わなかった?」 私達は顔を見合わせて笑う。
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