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時間が過ぎていく。
好きな人といると、本当に早い。
このまま時が止まってしまえばいい。
舞踏会で王子様と踊るシンデレラも、同じ気持ちだったのだろうか。
ふと、和人が足を止めた。
「優花ちゃん。ちょっと待ってて」
私を置いて、お土産屋さんに入っていく。
しばらく待つと、和人が手に袋を抱えて帰ってきた。
「はい」
手渡され中を見るとそこにはフワフワしたウサギのぬいぐるみ。
「あげるよ」
「え、でも」
「いいから」
私はお礼をいい、袋を抱きしめた。
暖かい。
ウサギのぬいぐるみじゃなくて。
この時間が。
このまま、帰りたくないって言ったら和人さんはどんな顔をするだろうか?
私は想像しながら彼を見上げた。
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