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男「……選べ、私と供に来るか、集まる男に嬲られ売られるかを……」
唐突の問いに、私は答える。
此処と地下に居る娘達も供にと。
しかし男は首を横に振る、依頼は私だけを助ける事だと。
男「……さあ、選べ、娘よ」
残酷な男……他の娘が居る前で選べと言うのだ。
皆が見てくる、それは嫉妬か恐怖か……羨望か……
その眼を見て思い出す。
私にはこの娘達の様に外の記憶が無い事を。
……ある訳が無いか。
私はあの牢で産まれ、育ったのだから。
母の記憶さえ無い。
父が誰なのか等、解る訳もない。
だから私は選ぼう……外への道を……
男「……良いだろう、では行くぞ」
言って、男は一緒に居た娘達を、一刀の元に切り捨てた。
何故との問いに。
男「言っただろう、依頼はお前だけを助ける事だ……と――」
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