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「あぁんッ!あッあッ…」
うるせぇな…声、でけぇんだよ。
黙って唇をふさぐ。
もちろん、唇で。
大木に寄りかからせて尖端をあてがえば、女は狂喜乱舞、俺の背に腕を絡めて、ぎゅうぎゅう押しつけてくる。
波の音をバックに、ただ己の欲を吐き出すだけの、野生的なセックス。
そこには、愛もいたわりもない。
今日のは、難易度2だな。
しらふでも、かなり持ちそうだ。
「ねぇ、いいよ…今日は大丈夫なの…ジョーの、あたしのナカに…」
悪魔のささやきだ。
…いい女なら。
「あぁ悪ぃ、俺、ビョーキ怖いから」
歯でピリッとコンドームの袋を破り、茫然とする女の前で、スルスルと装着する。
その間、わずか三秒。
日々の鍛練の賜物だ。
「なによっ?あたしがビョーキ持ちに見えるわけ?」
「知らねーよ、そんなん。あんたの素性もプライベートも興味ねーし」
まだ何か言いたげな女の、腰を掴んで後ろ向きにさせる。
顔を見なくてすむ、このスタイルが気楽でいい。
「ごちゃごちゃうるせーな。余計なこと考えてねーで、啼いてりゃいーんだよ!」
「ひゃッ!」
こんなんでも痛いほど反応しちゃう、素直すぎる分身を、遠慮なしにぶちこんだ。
グチュ、と音がして、女が伸びあがる。
掴んでいた木の皮が、パリン、と音をたてて舞い散った。
「あ、あ、あんッ、いッ、ジョー…!」
ついさっき見せた非難めいた顔つきが、一瞬で恍惚の表情に変わる。
グッと奥まで突いて、ギリギリまで抜いて、また突いて。
馬鹿みたいに、単調な動きを繰り返す。
米軍基地の灯りが、水面に映ってほわほわ揺れていた。
…パツキン美女と、やってみてーな。
俺のじゃ質量足んねーかもだけど、硬さならまかしとけ。
喘ぐ女の背中を見下ろしながら、やけに冷めた思考の片隅で、俺は、いつもそんなくだらないことを考えている。
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