第2章「主」

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 その日、経が来なかった。  気になってメールすると、 「ごめん。家から出してもらえない」  なんて返ってきた。 (は?)  わけわかんないんですけど。  尋はとりあえず教師の目を盗んでメールを送り事情を聞き出す。  とりあえず、何だか知らないが経は実はお嬢様二人に仕えているらしく、二人が解放してくれないのだという。 (お嬢様二人って、あの時の?)  確かに性格が悪そうだ。  まあ、人の事はいえないが。  というか、監禁は犯罪じゃないのか? 『とりあえず抜け出してきたら?』  とメールを送る。 『ああ、そうする。学校終盤に行くから、少しだけ付き合ってくれねーか?』  なんて返ってきた。  まあ彼なりの息抜きなんだろう。  とりあえず哀れな彼の身を少しだけ案じて放課後まで過ごす尋だった。  一方。  経は銀髪のまま、部屋に軟禁されているわけであり…… 「………はぁ」  お嬢様二人は学校だ。  彼だけが閉じ込められている。  
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