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ちなみに彼は銀髪が素であり、目は赤なのだがカラコンにスプレーでごまかして学校に通っていた。
銀髪に赤目は、『番犬』の証。
もしくは『狂犬』の証だ。
だからこそ隠す必要があった。
(ヒロには、知られたくなかったな)
だが今日はスプレーすらできない。
ヒロとは登校初日の朝。
スプレーする前に会っていたわけで、あんなにむごい事をした手前、バレたくはないのだが……。
まあ、しかたないだろう。
どうせバレるのだから。
(それよりも、お嬢たちがヒロに何もしてなきゃいいけど……)
彼女らが経を監禁した理由は、ただ単なる『お仕置き』だった。
彼が親しげにヒロと話すところを目撃し嫉妬しているわけである。
だが彼は、別に彼女らに忠義を尽くすつもりはなかった。
確かに彼女らには拾ってもらった身だ。
だが、ヒロと出会って、感化されたらしく今の経は自由を求めていた。
(さて)
窓に手をかける。
荷物は最初からない。
もう、ここには戻らない。
「さよなら」
経は、飛び降りた。
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