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「経、銀髪だったの?」
「うん。スプレーしてた」
笑う経。
尋も呆れて笑う。
「よし、いこっか♪」
たまらなく嬉しい開放感に、自然とテンションがあがっていく。
「で、どこ行くわけ?」
「ゲーセン♪」
仕事から解放されてウキウキ気分らしい経はニコニコしている。
仕事から解放されたのは実に5年ぶり。
そして今は―――……。
(ヒロが好き、かも)
気になるのだ。
前はこんな事、なかったのに。
一方尋はまるでシンデレラの気分だ。
こういう事には絶対縁などないと思っていたのに。
経の無邪気な笑顔には、時々胸が高鳴るし何故か毎回助けてくれるし。
(でもまだ信用できない)
イジメを受けてきたから、なのかはわからないが人間不信らしい。
尋はどうしても、経を信じきる事が出来ずにいた。
ゲーセンにつく。
「あ、あれ可愛い」
「どれどれ?」
尋が呟いた言葉に経が反応し、それに近付いていく。
ユーフォーキャッチャーの中にあったのはぬいぐるみっぽいキーホルダーだ。
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