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経はおもむろにコインを入れ、
「とってやんよ」
なんて呟き、クレーンを操作する。
三回目でやっと落ちてきた。
「わあ……」
「ほらみろとれたろ?」
ニカッと笑う経。
それを貰った尋は笑って、
「ありがと♪」
なんて呟いた。
経は心臓が高鳴ったがまあ、気にしないことにしていろいろゲームをしていく。
狂犬だった時も、よくここにきた。
要するにたまり場だったわけだ。
(懐かしいよな)
まあそれよりも、楽しそうな尋の姿に癒されていた経だったが。
「おい」
「?」
背後から声をかけられ、経は振り向く。
振り向いた先にいたのは、髪をワックスで大変な事にしてしまった男ら7人くらいが経をみていた。
(俄かモンか)
この銀髪で話かけてくるものは、たいてい数年前くらいからこの道に入ったチンピラみたいなものだ。
(しつけがなってないなぁ)
経は尋の手を握る。
今戦うと店に迷惑だし尋にも迷惑だ。
「てめーその銀髪目障りなんだよ。そんなブッサイク連れてよぉ」
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