第2章「主」

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 ぴくり、と経が反応した。  対象的に尋は興味もないようだ。  哀れむ目でみている。 「表に出ろ」  経はそう男たちに呟いて、外に出た。  尋を後ろにする。  完全にカンに障ったらしい。  尋が敏感だからかもしれないが、殺気が溢れ出していた。 (……あ、確か最初のも銀髪だ)  だが経はそのあと茶髪だった。  要するに、学校で染めたわけか。 (あたしは、最初からこいつに助けられてたんだなぁ。言えばいいのに)  変なやつ。  あたしを連れてる時点で変だけど。  と、冷静な感覚で経をみる。 「てめぇ覚悟はいいかよ?」  男の問い掛けに、経は答えない。 「やっちまえ野郎ども!」  鉄パイプやカッターをもった男が一気に突進する。  が、 「さよなら」  経には傷一つ付かなかった。  カッターは粉々。  鉄パイプは遠い彼方へ。  かかってきた四人の男は―――。 「なぁ、訂正しろよ」  経の足元で血に沈んでいた。  体の一部が完全に変形している。  
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