第3章「変」

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 まあ戦っている時は狂犬だったが。 (ていうか、変な人)  あたしみたいな人を、好きになるなんてわけわかんないよ。  尋は心の中でつぶやく。 「とりあえず、あたし帰らなきゃ」 「おう、そうだったな」  経も立ち上がる。 「経はまたお嬢様二人のとこに帰るの?」 「いや、あの屋敷からはでてきた」 「ふーん、って出てきたぁ!?」  経のあっさりした物言いに、勢いよく、ツッコミをいれる尋。  経は笑いながら、 「だって、俺はもう番犬じゃないし」  なんて言っている。 「アンタあほ!? 住み込みだったって事は家無いんでしょ!? どうすんの!」 「っ! ……あ、えと、ホテルか野宿でもしようかなー、と」  近寄って問い詰めると、経は少し頬を赤らめながらしどろもどろに答える。  ほんっとバカだなぁ!!と、尋は経を軽く怒鳴りつけた。 「ホントいうと、何処に家があって何処に住んでたか、わからないんだ」 「?」 「俺は記憶、所々ないから」  少し俯く経。  
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