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「ほんっとアホだね」
俯いている経に、尋は呆れたようにため息をついて言った。
「………あたしの部屋の隣、空いてるよ」
「へ?」
「マンションだけど、あたしの部屋の隣、空いてる」
尋の家はこの公園からもみえる12階建てのマンションだ。
そんなに高くないので、尋はそこで一人暮らしをしていた。
経は「マジ?」と呟くと、携帯を取り出して何処かへと電話をかける。
数分もしないうちに、話は終わった。
「よし、交渉成立」
「……何してたわけ?」
晴れやかな笑顔で呟いたので、尋はとりあえず聞いてみた。
「おまえの隣の部屋は頂いた☆」
「ふーん、そう。………って、え、あんたマジで交渉してたの!?」
あっさり言う経に、突っ込む尋。
だってそうだろう。
まず経は高校生だ。しかも一年生。
いくら狂犬で番犬でも、これには無理があると思うのだが………。
「あんたお金どうしたの?」
「ああ、金ならあるよー。だって俺、無償で雇われてたわけじゃないし」
と、預金カードを翳す。
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