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「それにひみと未来はお嬢様だったから、俺の給料かなりよかったんだー」
「……はぁ。なんだかなぁ……」
頭がくらくらする。
この高校生は大金を所持している。
しかも親はいない。元番犬。
何か知らないがあたしを好きとか言ってくるし、何なんだろう……。
白馬の王子様顔負けのオプションつきに告白され、軽く非日常に足を踏み入れた気分には違いない。
「それに、何か知らないけど預金がすごい額あんだよねー。過去の俺は何してたんだか思い出すのも怖いよ」
あたしは平然としてるあんたが怖い。
と思いながらも、尋はため息をつくだけにしておいた。
こいつといるのも、まんざら悪くもないわけだし楽しめそうだ。
「部屋は今日から使えるってさ。鍵は部屋に置いておくって」
「ずいぶん早いんだね」
「うん、俺がお願いしたら万全の状態にしてくれるっていってた。親切な人だよな」
にこっと笑う。
(管理人……、脅されたのかな………)
心の中で管理人を哀れむ尋だった。
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