第3章「変」

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 で、場面は変わって部屋の中。  レオパレス21なので、家具家電は常備されているらしい。  幾分過ごしやすそうなマンションだ。  セキュリティシステムがまだ信用ならないが何とかなるだろう。  とりあえずパソコンを立ち上げる。  ちなみにここの管理人に話をしたら、 「経? 経坊なのか? おまえ、生きてたのかい!?」  と言われてびっくりした。  何だかわからないが、この管理人と経は知り合いだったらしい。  記憶がない事を伝えると、 「あの蓬崎グループが……!」  とつぶやいていた。  蓬崎グループは、氷湊と未来の父親が経営するグループだ。  蓬崎氷湊と蓬崎未来。  二人のお嬢様に仕えていたのが俺だったと言ったらますます管理人はヒートアップし、一人で怒り始めた。  手もつけられそうにないほど。 「あんのアマども、経坊を手に入れるために記憶さえ奪ったってわけかい!! ほんと呆れるな!!」 「まあまあ落ち着いて……」 「これが落ち着いていられるかってんだよばかもんが!!!」  
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