第3章「変」

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 さらにヒートアップする管理人を止めようと副管理人みたいな人がなだめる声が聞こえたが逆ギレされている。  しかし、俺には記憶がないのでなんとも言えないし、嫌々やっていたかと言われればそうでもないので複雑だ。 「経坊、おまえの頼みは聞いてやる!! 今度こそおまえは渡さねぇ」 「は、はぁ……」 「俺は管理人の真田だ。覚えとけ。俺がいない時はこのバカにでも」 「バカじゃないっス。鹿馬です」 「鹿馬にでも何かあったら言ってくれ」  まあとりあえず無駄にテンションの高い管理人、真田と鹿馬は俺の知り合いらしいので何かと安心だ。  そんな事があったわけで、別に脅したわけでも怯えさせたわけでもなかった。  昔の話を知っているそうなので、一応後日聞く事にはなっている。 「経坊って………俺はあの人といつから、知り合いだったんだ………」  まるで気前のいいおっちゃんがヤクザの息子を相手にしているような言い方だ。  それに、「生きていたのか」とは、どういう事なんだろうか。 (ま、俺は今、ヒロがいるしどうでもいいんだけどな実際)  さて、とパソコンと向き合う。  
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