第3章「変」

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 経を用意させ、学校に着いたのは以外にも遅刻の時間よりも10分早い時間だった。  経と尋が教室に入る時、軽く尋は睨まれたりしたがまあ気にしない。  というか、告白された、なんて知ったらこの女たちはどんな反応をするのか。  少しだけ気になっていたりする。 「あうー、眠いー」  なんて隣で呟く経。  意識してるのか無意識なのか、椅子から下りてやけに近付いてくる。  ホントに、犬みたいなやつだ。 「ひーろー、眠いよー」 「あたしも眠いからね」 「うー、何か眠気治る薬とか無ぇかなー」  誰もこいつが天下の「狂犬」とは思う事などなさそうな振る舞いだ。  まあ今は髪も茶髪だし、バレはしないだろうと思っている。  「狂犬」。  かつて全ての組の頂点にいた伝説に残る最強の不良。  全ての人類を恐れさせ、畏れさせた最強に相応しい不良は、たった数名の部下と、一人……一人の少年を従えていた。  だがある日、狂犬は少年を失い、忽然と姿を消したという。  再び現れた時、狂犬は番犬になり、組は消えていたのだ。  
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