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経を用意させ、学校に着いたのは以外にも遅刻の時間よりも10分早い時間だった。
経と尋が教室に入る時、軽く尋は睨まれたりしたがまあ気にしない。
というか、告白された、なんて知ったらこの女たちはどんな反応をするのか。
少しだけ気になっていたりする。
「あうー、眠いー」
なんて隣で呟く経。
意識してるのか無意識なのか、椅子から下りてやけに近付いてくる。
ホントに、犬みたいなやつだ。
「ひーろー、眠いよー」
「あたしも眠いからね」
「うー、何か眠気治る薬とか無ぇかなー」
誰もこいつが天下の「狂犬」とは思う事などなさそうな振る舞いだ。
まあ今は髪も茶髪だし、バレはしないだろうと思っている。
「狂犬」。
かつて全ての組の頂点にいた伝説に残る最強の不良。
全ての人類を恐れさせ、畏れさせた最強に相応しい不良は、たった数名の部下と、一人……一人の少年を従えていた。
だがある日、狂犬は少年を失い、忽然と姿を消したという。
再び現れた時、狂犬は番犬になり、組は消えていたのだ。
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