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全く、何を考えているのやら。
「なんだ、白無か」
「なぁなぁ、何で暗黒時代なわけ?」
「おまえ忘れたのか? あの『狂犬』たちのしたこと……」
狂犬率いる『black last』は、盗みや放火など以外は簡単にやらかす超越した集団だった。
通り魔だったわけではないが、組に刃向かう者には鉄拳制裁を下す。
つまり、不良たちや教師にとっては恐れの対象であり、畏れの対象だったのだ。
「あいつらは人も殺すんだぜ?」
「つか、おまえ、覚えてねぇのかよ」
その問いに経はあっさりと、
「だって俺、記憶あんまないし」
なんて答えた。
「はぁ? 記憶喪失かよ!?」
当然驚きの表情が返される。
普通、いないもんなぁ。
「経は記憶喪失なんだー。へぇー」
「あ、雛」
久しぶりに雛が現れた。
どうやら部活で忙しかったらしい。
「でも私、狂犬さんは優しい人だって聞いた事があるよ?」
「はぁ!?」
雛の言葉に、その場にいた全員が叫ぶ。
もちろん、経や尋もだ。
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