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その反応に軽く涙目になりながら、雛はオロオロしていた。
「だって『紅』がそう言ってたもん」
「!!」
「紅? 誰だそれ?」
雛の発言に、固まる経。
経以外の者たちは唖然としている。
すると雛が、はっと口を閉じた。
「ご、ごめん! 今の忘れて!」
タタタッと走っていく雛。
「何だあれ」
「さぁ?」
男子二人は、呆然としていた。
「なあ白無……って、白無? どした?」
「へ? あ、いや、何でもない」
経の知り合いだったのだろうか、どこかおかしい反応だった。
と、そこでチャイムが鳴る。
「あ、鳴っちまった」
座るか、なんていって解散。
経も席につく。
元より席についていた尋は座る必要は全くなかったが。
「………」
経が何か知っている事は、間違いなさそうだったので問い詰める事をとりあえず確定しておき、SHRを迎えた。
まさかその前に、もう一つ事件が起きるとは知らずに。
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