第4章「断」

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 溶けそうなほど暑い中。  早くも学校祭の話が舞い込んだ。 「このクラスは劇をやりたいと思います」  勝手に話が進んでいる。  まあ端から何かをやろうとなど考えていないのでどうというわけでもないが。 「とりあえず、王子様役は白無 経くんに決定したいと思います」 「はい?」  尋の隣で経が唖然とする。  だが女子がにこやかに、 「いいでーす! 白無くんもいいよね?」  と、呟いた。  女というものは、怖い。  それを改めて感じながら、あたふたする経を見つつ笑う尋。  中々おもしろい。 「じゃあ次にお姫様役ですが、」 「というか、何の劇を?」 「立候補いますかー?」  経のもっともな質問は無視され、司会者にないがしろにされた。  男子をみてみるも、誰一人文句をいう様子はなく、経は一人うなだれている。 「はい! あたしやりたい!」 「あ、あたしも!」 「私だってやりたい!」  次々に手を挙げる女子たち。  こいつが狂犬と知ったらどんな反応をするのかとても気になるところだ。  
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