Episode2 出会いと乙女心

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  どうやらセリム達が居た場所以外ではサイスが暴れまわったらしく、予想外に早く決着がついて、時間が余ったらしい。 再び教室に戻ってきた生徒達は、団体戦メンバーの決定を知らされ、5人に拍手を贈った。 そしてまだ時間が余っていると、めんどくさそうにレイが頭を掻いている。 「あっ、そーだ……」 何かを思い出したかのように、レイが教壇の上のプリントを見つめた。 「あったあった。えーとだな、セリムにアイリスにリリーナ。お前らは郊外から通ってるだろ」 「えっ? あ、はい……」 「はい」 「ひゃ、ひゃい!?」 「そんなに驚くなよ、リリーナ。……えっとだな、お前ら今すぐ学生寮に入れ。無料だし」 「……待ってください。学生寮の参加は自由だと聞いたはずですが?」 アイリスの問いに、レイはめんどくさそうに答えた。 「自立の精神を鍛えるべくっていうか、今年から特別な事情がない限り強制なんだよ。……ま、学園からすれば目の届く範囲に居たほうが楽なんだ」 レイは唖然としている三人に指を差し、強めの口調で言った。 「いいからルームメイトを3人見つけて、学生寮に入れや。異論は認めない」
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