Episode3 仲間、大会、同居!?

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  雲を抜け出した月が辺りを照らしている。 カルディナの地方には、景気がよいときに別荘を建て、没落して放置するという場合があった。 その別荘の一つ。 暴風雨に曝された外壁は色が剥がれ落ち、正門には閂(かんぬき)すらかかっていない。 「……」 黒いマントを羽織った男は、正門からその別荘に入った。 そして玄関に立つと、周囲を見回す。 埃の積もった地面を踏みしめながら、男は奥へと進んだ。 そして一番奥の部屋に入った男は、ふっと笑った。 「やはり、いたか」 窓までは10歩分しか無い小さな部屋に、テーブルが置かれていた。 小さな書斎の側には、5本の蝋燭が微かに灯っている。 そしてテーブルの前に座っていた男が立ち上がり、頭を下げた。 「お久しぶりです」 「頭を下げることはないだろう、リライト君」 男――リライトは頭を上げると、その鮮血色の瞳をマントの男に見せた。 真ん中で左右に分けられた髪は濃い青色だ。
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