プロローグ

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私は達也に背を向けると静まり返った廊下を一人他の生徒とは逆方向に歩きだした。 達也が何かを言っているようだったが私の背中がその言葉を冷たく跳ね返すかのように何も聞こえない。 いや、聞きたくなかった。 人の暖かい言葉など全て偽善だ。 そんな言葉は悪より憎く思う。 だから私は人を拒絶してきた。優しい人の温もり、言葉。全てそんな物は偽善だ。 だから私はいつも一人だ。 いや、一人ではないか。私の心にはあいつがいた。 孤独という悪魔が。
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