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「あ……え、と」 ミリアは焦り戸惑う。 「その前にさ……魔法で窓ガラス直せない?」 寺田が割れた残骸を拾い集めながら言う。 「窓ガラスを……ご、ごめんなさい!出来ません……」 焦り過ぎて涙声になりながらも謝る。 「え……だめ?」 寺田が聞き返すと本当に泣き出してしまった。 「グスッ……ごめんなさい……役立てなくて」 「なに女の子泣かしてんのよ~」 山口が冷やかしで指をさしながら言う。 寺田はいい加減山口を殴りたいと思ったが今はそれどころでは無いので無視する。 「えと、ごめん……」 「いいんですよ……別に」 ミリアは布団を被って泣いていた。 「困ったな……」 寺田はもう暫く置いといて明日には泣き止んでるだろうと、今は置いとく事にした。 「あ……俺、布団どうしよう」 「私の家に……」「結構です!」 結局寺田は机に顔を伏せて寝る羽目になった。
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