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帰り道あたしは必ず
近くのスーパーによる。
……今日は肉じゃがにしよう。
材料を買い、一人暮らしのアパートに帰る。
「おね~さんっ」
まぁたどこぞのナンパか。
あたしには縁のない話。
スタスタと帰路を急ぐ。今日は大好きなテレビの日だ。
「おね~さんまってよ!」
「!?」
腕を捕まれ止まった。
心臓が。
……止まったかと思った。
あたしに!?
いや、それより目の前にたつのはすごい美少年!
キラキラ、クルクルの髪の毛。
ハーフか!?
パサパサ音のしそうなまつげを
惜しげもなくパサパサさせて、
あたしの買い物袋をあさる。
「おね~さん!今日肉じゃがでしょ!肉じゃが肉じゃが!」
「…………そだけど…」
「肉じゃが大好き!」
「…??へぇ…」
だから何?
「食べたいな………」
いきなり潤んだ目で
じっと見つめる美少年。
「……別に…いいけど…」
どうせ死ぬんだ。
誰かの役にたってからでも遅くない。
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