7人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が腕の中に顔をうめてからすぐ、一人の男子の声が聞こえたと同時に、机ごと俺は吹っ飛ばされた。
痛みに顔を歪めながら見上げると、そこには三人の男子が、苛立った眼で俺を睨みつけていた。
何なんだよ。俺が何したってんだ。
「お前、なにすかしてんの?」
三人組みの真ん中にいる、背が高い茶髪の男子が俺に向って冷たく言葉を放つ。
あぁ、そう言うこと。俺がこのくだらないイタズラにあまりにも無反応だったから、ムカついて俺を蹴り飛ばしたってわけか。ちょっとまずいな。
「いや……そんなつもりは……」
俺が全て言い終わる前に、茶髪の男子は俺の胸倉を掴み、次は先ほどよりも少し強い口調で罵声を浴びせる。
「ってかさ。もうお前マジ学校くんなよ。見てるだけでイライラすんだよね」
どうする。何て言えばこの場を切り抜けられる? 俺は頭の細胞をフル動員して思考をめぐらす。
しかし、なかなか良いアイディアが浮かばない。
そんな黙りこくっている俺を見て、茶髪の男は胸倉を掴む力を一層強くした。
「シカトぶっこいてんじゃねぇぞコラ!」
やばい。とりあえず何かしら言わないとやられる。
「前から思ってたんだけどさぁ、お前なにげいい腕時計つけてんなぁ」
最初のコメントを投稿しよう!