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「現世と冥界の狭間? ってことはやっぱり俺は死んだんだな……」
よかった。ちゃんと死ねたんだな。自分に意識があったときはもしかしたら死に損なったかと思ったが、これでやっとあの地獄のような日々とはおさらばか。
「そんなに死んだことがうれしいか?」
「どうしてわかった? そんなことまで手帳に書いてあるのか?」
閻魔は俺を指さしながら言った。
「顔に書いてある」
閻魔はフフフと笑いながら、俺に語りかけた。
「だがまだ安心してもらっては困るな」
「どういうことだ?」
まだ安心できない? これからいったい何があるんだ?
「これから審議を行う。君が天国に行けるか、地獄に落ちるかのな」
冗談だろ。せっかく楽になれるかと思ったのに、そりゃないぜ。
「しかし、実際審議なんてする必要はないけどな」
「言ってること矛盾してない?」
俺のその問を無視し、閻魔は腕を組みながら説明を続ける。
「君の場合、自殺でコッチの世界に来たからな。そういうやつは無条件で地獄行きなんだ」
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