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日の出を迎え、その後眠ってしまった私が目を覚ますと、すでに彼女の姿はなかった。
もうどこか遠くへ行ってしまったのだろうか、と辺りを見渡すと、彼女は木の根元に倒れていた。
急いで彼女のもとへ飛んでゆき、声をかける。が、すでに息は止まっていた。
彼女の周りに落ちていた枯れ木の表面には、線状のささくれができていた。これは彼女が産卵をした証拠だ。
ありがとう。君との間に命を作ることができて、私は本当に幸せだ。
君はもう逝ってしまったけど、そんなに悲しくないな。
だって私ももうすぐ君のもとに逝けるから。
その時、私の中に一つの答えが浮かんだ。
そうか、そうだったんだ。
人生最後の日を迎えて、ようやく私の中で一つの答えが見つかった。
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