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ボロいアパートの一室に、けたたましく響く目覚まし時計のベル。一日の始まりを告げるこのベルの音が、俺は心底嫌いだ。
あぁ、また今日が始ってしまう。
俺は布団の中からゆっくりと腕を伸ばし、ベルを止めた。まだ完全に覚醒していない頭を無理やりたたき起し、布団の中からはいずり出る。
薄汚れた白いカーテンの隙間から、光が差し込んでいるのを横目で見ながら、俺は壁にかかっている制服を手にとる。
これから俺はこれを着て、学校に行かなければいけないのか。
朝が訪れるたびに、いつも考えてしまう。どうして学校に行かなければいけないのだろう。
行ったところで、将来使わない無駄な知識を叩きこまれ、クラスメイトからは、まるでゴミを見るかのような眼でみられる。
何が理由で始まったかわからないイジメ。上履きが無くなることなんていつものこと。時には机や椅子までなくなっている。教室に入れば嫌でも聞こえてくる罵声の数々。なにか気に食わないことでもあろうものなら、即サンドバックにされる。
そんな、俺になんの利益も与えてくれない環境に、どうして自ら行かなければいけないのだろうか。
そうだよ。行かなければいい。あんな学校やめちまえ。
何度同じことを考えただろうか。それが出来たら確かに楽かもしれない。だけど、それだけはしたくなかった。たぶん、いや、確実に俺が学校から消えたら、クラスの連中は大喜びするだろう。それを考えると、どうにも気に食わない。
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