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霧が立ちこめている…。
右を見ても左を見ても何も見る事は出来ず。
上を見ても、そこに空があるのかすらわからず、下を見ても、自分はどこに立っているのかわからなかった
白い靄だけがどこを見ても一面に広がっている。
彼はもうどのくらいこの靄の中を歩いているだろう
「我が名はブラン」
「我が名はノワール」
突然どこからか2つの中性的な声がしてきた。
彼は足を止めニヒルに口を歪ませた。
この声を彼は求め彷徨っていたのだ。
「黒き刻印は我の中に」
「白き刻印は我の中に」
声は交互に四方八方から聞こえてくる。
姿もこの霧では見えない。
「我らの世界に踏み込みし者よ」
「汝の求めるモノは?」
「力。貴様等のすべてを、オレによこせ」
ブランとノワールと名乗った声の主達の質問に彼は、太太しく答えた。
それが彼がここに来た目的
「我らの力を何に使う?」
「その中に何を求める?」
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