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「ぐああぉ!」
また一つ、首が飛んだ。
物資を狙ったチンピラとばかり侮っていたがこいつは予想外だった。
隣の駐屯地までと油断したのがいけなかったか?
酒場で依頼を受けた時は、こんなイレギュラーが起きるなんて聞いて無かったぞ?
俺は恐怖に震える腕で腰に下げたカタナを抜いて正眼の構えを取る。
伊達にこの界隈で生きていない。こんな修羅場ぐらいで…やられるか!
「ったく、こんな馬鹿の頭かち割ったところで貰えんのは雀の涙とは泣けるねぇ」
そう言いつつ先程まで肩を組んで酒を飲み明かした仲間の頭蓋から投げ斧〈トマホーク〉を外す――
顔まですっぽりと覆う頭巾の着いた服。そして、頭巾から覗く目が獲物を狙う獣のように爛々としている。「これはこれは、あんたがこの馬鹿どものボスかい?」
ニィィと歯を出して、笑うこいつはもしかして地獄から来たんじゃないんだろうか?
こいつが、夜営地点に現れて二十分足らずで仲間達は胴から首がサヨナラするハメになった。
次は俺の番ってか?
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