第一章

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  雨の降りしきる肌寒い十一月の黄昏れ時。 この日、私の恋は終わりを告げた。 一年付き合っていた彼に、浮気されたあげくに 『もうお前いらない。』 って言われた。 当然はいそうですか、なんて納得なんていくはずも無かったが、彼にもう一度縋る勇気も元気も無かった。 やり切れない思いと悔しさで、こんなことに泣くのは嫌だと思いながらも、自然に溢れてくる涙を止めるすべなんて私は知らなかった。 雨の中傘もささずに歩く私は、周りから見たらどれだけ滑稽なんだろうか? そんなことを思ってしまう程、周囲の好奇の目線は痛かった。  
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