第一章

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  大口を開けて見詰める私が不快だったのだろうか、その人は眉間に皺を作りながら私に言って来た。 「聞いてんの?」 「あ、はい。…ごめんなさい。」 「別に誤ることは無い。」 咄嗟に誤る私にそう言うと、その人は厨房に戻って行った。 今の人かっこよかったな…。どうせ振られるんなら、あんな人が彼氏だったら良かったのに。 そしたら、釣り合って無かったから仕方ないっかって、諦めもつくかもしれないのに。 …ダメだな私って、当分忘れられそうに無い。 どうしても思い出してしまって、また暗い気持ちになってテーブルに突っ伏す。  
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