43人が本棚に入れています
本棚に追加
水滴で濡れた頬を押さえてまた凝視してしまう私に、その人はアイスココアの入ったグラスをテーブルに置いた。
「え?私注文してないんですけど。」
というか、ここに来てから貴方に誤った以外で何も話してないんだけど。
もしかして注文もしないで座るなってこと!?
焦りながら言う私に、その人はまた眉を寄せた。
仮にもこっちはお客なんですけど!お客様は神様なのにそんな不機嫌そうに睨まないでほしい。
怯みながらだんだん目線を下に落としていく私に、その人はぶっきらぼうに言った。
「知ってる。」
はぁ?
あれだけ眉を寄せて不機嫌オーラ出してたのに、『知ってる』の一言って…。
「や、だからこれは私のじゃなくて他の人のものかと思うんですが。」
なんだか飽きれながら言う私に、その人はまた眉を寄せてくる。
最初のコメントを投稿しよう!