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「っ……ぅ、」
しかし、時々口の端から漏れる声が僕を再び狂わせる。
痛みに眉を寄せて目尻に涙を溜め、恥じらいに震える彼女がとても愛おしく思えて――
これ以上流されてはいけないと頭が警告する。
なんとか急ごうとすれば必要以上に肌に触れてしまう。
だからといって作業を遅くすれば波に呑まれる。
僕は細心の注意を払いながら、てきぱきと治療を終わらせていく。
「はっ、う……っ」
時々聞こえる鈴の声に切れそうになる理性の糸をなんとか保ち続け、傷の手当ては終わった。
「さぁ、もう終わりました。」
「ぁ……あ、りがとうございます……」
僕が声をかければ、彼女はいそいそと服を着はじめる。
と、そこに――
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