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僕はまた安心させるよう優しく言い聞かせる。
「傷の手当てをするだけですよ。抵抗はあると思いますが…お願いします。」
鈴はそれを聞いてまだ躊躇していたが、暫くして
「ゎ、わかりました…」
と小さく頷き、再び犬をチラッと見た。
それに気付いた僕は犬に部屋の外に出ているように頼み、部屋には再び僕と鈴だけになった。
犬が出ていくと鈴は静かに着ているものを脱ぎはじめた。
しかし動くと傷が痛むのか動作はとてもゆっくりで、顔は苦痛に歪んでいる。
僕は出来る限り肌に触れぬよう注意して彼女を手伝った。
上半身が下着だけになると、彼女は俯き口元に手を寄せた。
白い肌には無数の傷や打撲の跡があった。
そして首には真っ赤なチョーカーが。
僕はその時、それらをさほど気にせず手当てを開始した。
一度深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてから丁寧に傷を消毒していく。
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