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ヒロインsaid
「はぁ、っは……はっ、」
一体どれ程の距離を走ったのだろうか。
足裏からは血が滲み、服もあちこちの木にひっかかり破れている。
それに、足が重くてさっきから何度も転んでいたから腕や顔にも擦り傷ができていた。
視界が霞み、意識も気が緩んだらすぐにでも飛びそうだった、
それでも……私は走った。
否、走らなければいけなかった。
しかし――
「は……っ、あ!!ああぁぁあぁぁ!!」
ぼやけた視界に崖を捉えることができず、私は足を滑らせてそのまま下へと落ちていった。
そして遂に意識を手放した。
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