第48話

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同じ横向きの態勢で輝に腕枕をされていた。 私はもう片っ方の空いている輝の手を絡ませたり突っついたり伸ばしたりして遊んでいた。 だって寝てるんだもの。 まるでお人形さんだわ。 ゆっくり顔を後ろに向けると 輝「スー…」 亜「輝?…フフ…」 何をしたって平気。 また私は首を戻して手で遊ぶ。 亜「長ーい…指…綺麗な…爪…」 やっぱり疲れてたのよ。 いつもなら何回戦かしちゃう輝君ですが…。 私は一回で充分なんですけどね。 亜「…輝?寝てるの? …どうしよう。私ね、胸がいっぱいで…本番はまだなのに…幸せで…。」 だって久しぶりに『可愛い』だなんて言うから。 私は向き直り輝と向かい合わせになった。 輝の鼻を人差し指でツンツンと軽く押してみる。 輝「…スー…。」 起きない。 本当に寝てるみたい。 亜「…いつもなら…輝は起きてて…私が…ビックリするパターンなのに…」 本当に疲れちゃってたんだ。 亜「ごめんね…いつも何でもしてくれて…ついて行くだけしかできない私…」 長い睫毛。 スラッと筋の通ってる鼻。 亜「…カッコイイな…。」 私はあなたと釣り合ってるのかな。 まだ不安なことばかりだけど。 輝に見合うように私も色々と努力しよう。 亜「輝、情けなくなんかないよ?私にとって世界一カッコイイ旦那さんだから」 .
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