第48話

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ずっと目を閉じたままの輝。 そうやって、何も言わない気なんでしょ? だったら私だって何も言わないんだから。 ちょっとムスッとしていると輝が口を開けた。 輝「…練習は…もうしないのか?」 言い終わるとやっと目を開けた。 亜「あー…」 私が下唇を噛み悔し恥ずかしの表情をすると優しく微笑む。 あちゃー…。やってしまった。 私は反対を向いてちっちゃくなる。 亜「もぅ…降参。」 またしてやられた。 この男に。 私は一生勝てないんだろうなぁ。 悔しいけど認めざるを得ない。 輝「降参?」 輝は私の後ろ髪で何やら遊んでいる。 亜「どうせ…最初から私のこと面白がって起きてたんでしょ?」 輝「んー…半分正解。」 半分?どこが正解なわけ? 輝「…別に面白がってたわけじゃない。亜紀がついつい可愛くて狸寝入りしてただけ。」 あーもうそのサラッと言っちゃうのどうにかしようよ。 心臓が持たないってば! 亜「わっ」 輝は抱きしめるくらい近付いて後ろから手を私の手と絡ませる。 輝「フッ…耳真っ赤。」 そして耳にキスをした。 輝「もう今結婚式するのかと思ってビックリしたけど」 もう返す言葉も見つからない。 思い出すだけでも自分は馬鹿なことをしたもんだと恥ずかしさでそりゃあ赤くもなるさ! .
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