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幽霊になって便利だと思うこともある。
まず、飛べること。この力があると、かなり便利だ。目的地まで人混みの中をひたすら進み、汗だくにならなくて済むからな。
次に、障害物を通り抜けることが出来ること。この力があると、壁や扉をすり抜けられて、わりと楽しい。
そんなことを考えながら、相変わらず俺は誰の目に留まることもなく、病院に着いた。
「相樂雅……」
病室の前のプレートに書かれている名前を読む。懐かしい名前を口に出して読むと、泣きそうになった。
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