おちていく

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視えうる限りに、どこまでも続く永遠の緑 果てない草原 宇宙(ソラ)は何処までも高く、濃紺の微細なグラデェションを映し出す。より低い宇宙に在るのだろうまばゆい恒星が、無数に輝いている。 そのただ中に、光を放ちながら黄金に輝く、細く長い髪、無色に近い金の瞳に、銀の虹彩を散りばめた少女が静かに佇んでいる。 その華奢で透ける様な身に纏うのは、彼女の造りをよく引き立てる胸の大きくあいた純白のワンピィス。 風もないのにふわふわとその金糸をたなびかせて、少女はそっと、微笑む。 それは無邪気な子供の様でありながら、どこか妖艶で、美しい。この世界に存在する要素では表しがたい表情だった。 神々しいばかりのその様子に、草花も、ざわ、とそっと震える。 少女はいつも想う この世の、本来ならば尽きることなき欲求 恋する人のコトや、欲しいもの、食べたいもの…… そんなコトは、ちっともおもしろくなかった 彼女が想うのは 世界のコトただ1つ コノ セカイ デ コレカラ ナニガ ハジメラレルダロウ 静かに、幻想の宴は始まろうとしていた。 .
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