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「……………」
授業を終えて、一番に教室を出る。
宇宙か…まだ、分からないコトばかりだ。別にたいして興味がある訳でも、親の仇を討ちたいなどと大それたことを考えている訳でもナイ。
でも、なぜか昔から強く惹かれている自分がいた。まぁ、元々他にやりたいこともナイ。というか、今までこんなコト考えたことすらなかったな。
なぜ俺は宇宙に向かうのか…
なんとなく、というよりは必然的にこの道を選んだ様な気がする。
兄さんも進んだ、道
親の代わりに俺を育て、親と同じ様にあっけなく消えていった最後の肉親。
だからといって、親や兄の夢を継ぐ気もさらさらない。
そんなに感慨深くなる自分でないことはよく知っているんだ。なんて薄情な人間なんだろうな。
でも、だとしたらなぜ…
(アタマノナカデコエガスルンダ。ナツカシイ?イヤ、シラナイヨ、(ウソ、シッテイルデショウタダミチビカレルママニ…モ…スグ…タゲ…ジ…ル…アタシヨ、エリテ))
「…月。」
「…っ、え?」
考え事してたつもりが、いつのまにか、ぼーっとしてしまっていた様だった。背後から突然声をかけられ、驚いて振り向くと、先程のピンクの髪の少女だった。
「下弦の月。まるで猫の口の様。」
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