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ーーーー二年前、冬ーーー
「僕にもできますか?」
「ええ、勿論。もしも派遣された先が嫌でしたら断る事もできますし…恋人探しをしながら簡単なアルバイトでもすると思って下されば結構ですよ」
「僕は…恋人を探したい訳じゃないんです。ただ…」
「…ただ?」
「本当に、本物の愛が存在するなら確かめてみたくて…」
「なる程…」
「いいでしょう。あなたの様なケースも検証する価値はありそうですね。…私も見てみたい」
そして僕は今にも雪が降り出しそうな寒空の夜、彼女に別れを告げた。
酷く残酷な嘘をついて。
君を傷つけるつもりは無かったけれど、どうか許して欲しい。
どんなに時間が掛かってもいい。
だから、
僕を見つけて欲しいんだ。
誰よりも、君に…
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