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華恵の家を後にした帰り道、バス停でバスを待つ時間。
穏やかな時間。
人気の少ないこの場所が好き。
そこまで栄えている訳ではないこの町が私は好き。
右腕の時計を覗くとバスの時間まではまだ十分以上ある。
一人の時間、私はいつも淳平の事を思い出す。
失恋するとそんな事がすごく悲しい物なのだと思っていたが、私は違った。
一人になると淳平の事を思い出せる。
細かい仕草や、些細な思い出を。
それが悲しいなんて思えない。
思い出せば暖かい気持ちになれる。
今でも私は淳平を愛している、こんなに。
それを証明できている様な気がして。
思い出の中では、今でもまるでそこに存在しているかの様に彼が蘇る。
淳平に会える。
淳平?
私の愛は本物だって誓えます。
どうしたらそれを証明できたのかしら?
私があなたと別れてから解った事と言えば…真実の愛を証明する事はとても時間がかかるって事くらい。
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