朝です

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シャっとカーテンがさばかれた。 真っ暗闇に突然入り込んできた光が目を攻撃する。いたい、痛すぎる。 朝陽とは時に凶器だと思う。 瞼の裏がおもく痛む。 パタパタと手をふって不満を伝えると、陽を背に背負う小柄な人影はあわてて布で空間を閉めきった。 再び訪れた心地よい薄暗い視界の中をそろそろと窺うように近づく彼女は、僕の主治医。 言っておくが若くはない。 おばさんだ。 「ごめんなさいね。大丈夫?」
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