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僕がほこりを払いつつ出てくると、おばさんはどこぞのマーメイドのように床に座りこみ打ちひしがれていた。その悲しげな眼差しはシューズの跡がくっきりついた潰れたバナナにそそがれていた。
「腰打った・・・・・。痛い。ひどいわ。罠だったのね、アンジェリーナっ」
だれがそんな陳腐な罠を仕掛けるんだ・・・・・!僕は思わず心のなかで叫んだ。(というかそんな罠をしかけても引っかかるのはこの人以外いないだろう。)
しかし彼女の奇行っぷりはいつものことなのでいまさらかまわない。
だいたいから僕はまだ眠いのだ。さっさと片付けて薬を飲んで寝るに限る。
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