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夢
ーーここはーーー?
穏やかな風。零れるような花々。
漂ういい匂い……。
ここは、見たことないけど話に聞く
[EDEN]そのものだ。
あーーー。
誰かが走っているのが見える。手を引かれて走ってる少女は今にもドレスに足がとられそうで、俺はドキッとする。
銀色の長い髪が淡く青に光って、綺麗なんだけど、彼女は今にも泣きそうな顔をしているし、彼女の手を引いている男はなんでかよく見えない。
ふいに強い風が吹いて俺はいつもの場面に来たことがわかって息を呑む。
大勢の足音。
無惨に散っていく花々。
引き離される二人。
場面は暗転して暗闇だけが広がる。
そしてーーー
誰かがいる。
あんた誰なんだ?
俺は近づこうとしてーーー
『ーーー目が覚めるんだよなああああ。あ゛ー声枯れてる…』
ボリボリと頭を書くと、俺は寝乱れたベッドの上で軽く伸びをした。
肩にかかる黒すぎるぐらい黒い髪とよくいわれるそれを、俺はちゃっちゃと結んでベッドから出た。
今日は入学式ってやつだ。
だりーな……。
またでけー奴だとか、目つきが悪いだとかそういった視線を集めるに違いない。
ま、だがそんな奴らは3日もありゃ俺の下僕。
楽しい高校生ライフの始まりに出発ってやつかなーーーあーあっと。
零時は鼻歌混じりに寝着を脱ぎ捨てると制服へと手を伸ばした。
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