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チビでデブでオタクな自分が恋愛できる日がくるなんてこの時の僕は微塵も思ってもみなかった。
今日はルナたんの限定フィギアが買える日だ。先着500名だから早めに行かないと…
「やめてください」
「そんな事言わずに一緒に遊ぼうよ」
嫌がる女性にしつこくせまる男性、瞬時に頭の中で電車男のメロディーが流れた。普段こういう場面など出会わないが、もしかしたら良い出会いのきっかけ?とか思ってしまった。でも、正直怖かった。足が震えているのがわかるくらいだ。
「困っているじゃないですか!」
なんとか近づいて言えたものの、もっと気のきいた言葉言えないのかよと自分でツッコんでしまった。
「何だよ。お前」
「彼女…嫌がってます。やめてください」
「てめ~には関係ないだろが!」
睨んでくる男にビビりながら対応していたが、絡まれていた女性は走って逃げ去ってしまった。それをみた男は僕の顔を殴ってどこかいってしまった。
「最悪だ…」
ドラマの様には行かないんだと思いつつ、僕はルナたんの会場に向かった。
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