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・・・そして、少し冷静になってきてふと気がついた。
―私が、彼女の手を握っていることに。
「ッ!!」
吃驚して、慌てて手を離す。
しかし時、既に遅く、
この右手が彼女の手に触れていたのだという事実が、
胸を心臓が飛び出してしまうくらい高鳴らせてしまった。
「あ、あの・・・本当に大丈夫ですか?」
そう言って彼女が心配そうに覗き込んでくる。
か、顔が近い!シャンプーの香りだろうか、
甘い匂いが私の鼻をくすぐって、さらに鼓動を早くさせる。
「ほ、本当に大丈夫!」
私は鳴り止まない鼓動を悟られないように逃げる様に脇へと動く。
「・・・きゃッ!」
そして不覚にも、脇にあった小石に足を取られバランスを崩してしまい、
無我夢中で私が手を掴んでしまった所為でバランスを崩した彼女と一緒に、
地面へと倒れこんでしまったのだった。
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