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「あの、お名前教えてもらえますか?」
いきなりのその問いに私は「へ?」と間抜けな返事をすると、「ファーストキスの相手の名前くらい、教えてもらえる権利、あるとおもいます」と続けた。
「え、えと・・・天道亜紀です・・・。」
「私は加賀美沙月です、よろしくね」
差し出された彼女の右手に、私は手汗を服で拭いた右手で答えた。
「それじゃ、すこし付き合ってくださいっ♪」
「えっ、ちょ!」
彼女は握手したその手を離さず、私を連れて歩き出す。「拒否権はないですよっ♪」と笑う彼女を見て、この子、小悪魔?とか思いつつ、引っ張られるままに彼女の後ろを歩き出したのだった。
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