第7話

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何やってるんだろ私……  重ねた掌から伝わってくる沙月さんの体温。それが直接血液に作用し、そのまま血管を伝って心臓に……っていうか本当にヤバイ!心臓の音が自分で分かる!聴こえる!  泊めてくれと震えながら頼んでくる沙月さんに私がした返事は、 「え……あ……はい」  三郷と加賀美という二つの名字。〝母〟と思しき人物からの着信の後豹変した態度。さすがに込み入った事情があるのは想像できる。それも沙月さんにとって辛い……  私は震える沙月さんを見て純粋に助けてあげたいと思った。力になってあげたいと思った。だけど……めっちゃ心臓バクついてるんですけど!  あぁ……別にやましい気持ちなんてないはずなのにぃ!  でもよく考えたら私、今日始めて会った女の子を待ち伏せして、押し倒して、キスして、デートして、手を引いて自分の部屋に連れて帰ろうとしてるんだよね……はぁ、ホント私、
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